戦国覇者への道(第二回)

 ただいま絶賛発売中の「戦国天下統一」。皆様、お楽しみいただいていますでしょうか。
 この「スペシャル」では、「戦国覇者への道」と題して戦国天下統一の魅力をお伝えしていきます。

多彩な戦略をとることができるゲームシステム!

 本作には更新計画内政外交軍備戦略合戦の7つのフェイズ(局面)があります。プレイヤーは各フェイズでコマンド(指示)を実行しますが、基本的には天下統一を成し遂げるために合戦フェイズの「出陣」で敵の城を攻め落として領土を広げていくことになります。

 しかし、合戦ばかりおこなうことが天下統一への近道とは限りません。合戦を繰り返すと国が疲弊し、関係の悪くなった複数の大名家から一度に攻め込まれる可能性があるからです。効率よく領土を広げるために内政フェイズで「治水開墾」「楽市楽座」をおこなって領国を豊かにしたり、外交フェイズで「使者の派遣」「婚姻」をおこなって周辺大名家との関係を調整したりといったことも時には必要になります。このようにプレイヤーの好みで謀略を駆使した戦い方や、力にまかせた進軍など様々な戦略をとることができるのが『戦国天下統一』の魅力のひとつです。

 そこで第二回目となる今回は、こういった戦略の幅広さをふまえた上で近畿地方~九州地方に位置する大名家での攻め方を一挙にご紹介します!

近畿~九州の大名家の攻略方針を一挙紹介!

【近畿】

豊臣家
(山城)

豊臣家「巨星を継ぐ者」「太閤の遺産」で登場する大名家で、どちらのシナリオでも最大勢力として登場します。戦国シミュレーションゲームが初めてという方はこの大名家でプレイするのがおすすめです。まず、開始時点で全国のおよそ三分の一を治めており武将数も豊富なため、中国方面から九州・四国統一を目指す流れと関東から中部・東北へ北上する流れのふたつを用意して侵攻していきましょう。合戦はできるだけ多数の武将をひきつれてひとつの城を攻め、「包囲」による兵糧攻めで兵力の消耗を抑えることが重要です。また、内政に関しても資金が豊富で優秀な武将も多数いるので定期的におこなうようにします。そうすれば、いくつかの大きな大名家を5、6家滅亡させたあたりで天下統一への道筋が見えてくるはずです。
石田家
(近江)

石田家はPSPオリジナルシナリオ「太閤の遺産」で登場する大名家です。支配している城が2つのみと非常に少ないので、いかに周りの大名家と同盟を結ぶか、そして城を攻め落とすかが攻略の鍵となります。ゲーム序盤は守りが手薄な城をひたすら攻め落としていきましょう。こちらには武勇と統率の高い島左近がいるので、比較的容易に敵の城を落とすことができるはずです。この場合、長束正家大谷吉継らを打ち破るなど史実とは異なる展開を楽しむこともできます。逆に、外交フェイズで「臣従の通達」コマンドを豊臣家に実行すれば、豊臣家に従う大名家として史実のように活躍することになるでしょう。
三好家
(摂津)

三好家はシナリオ「飛龍乗雲」での最大勢力ですが、あまり多くの城を所有しているわけではありません。加えて、摂津を中心とした畿内に拠点を置いており、周りの大名家からの侵攻を受ける可能性が高いです。まずは摂津国を統一し、その後は紀伊・大和と南下、それから北上して西あるいは東に勢力を伸ばすのが理想的な流れです。三好家には特に優秀な武将はいませんが、まずまずの能力を持っている武将が多いので積極的に使っていきましょう。
浅井家
(近江)

浅井家が治めている近江国は六角家・京極家の城もあります。京極家は浅井家に下っているので攻めてくる心配はありませんが、六角家浅井家よりも多く近江の城をおさえているので、まずはこの六角家をどのように処理するかが問題となります。なお、シナリオによっては開始時から朝倉家と軍事同盟を結んだ状態にあるものもありますが、援助はあまり期待できないでしょう。それゆえ、腕に自信がなければ六角家とも同盟を結んで先に周辺の国の城をおさえて回るほうが結果的に効率よく領土を広げることができるでしょう。近畿地方を全体的に支配することができたら、あとは九州・中国方面からの勢力と関東・東北方面からの勢力との対決になるはずです。そうなったら、どちらかと同盟を結ぶなり前線で敵の侵攻を食い止めるなりして片方に戦力を集結し、つぶしていくようにしましょう。浅井家はシナリオによって「海赤雨の三士」と呼ばれる海北綱親・赤尾清綱・雨森弥兵衛の3武将や遠藤直経など能力の高い武将がいるのでうまく使えば天下統一への道が開けるでしょう。
六角家
(近江)

六角家が治めている近江国は浅井家・京極家の城もあります。しかし、支配している城が最も多いのは六角家です。まずは、この有利な状況を利用して近江統一を目指しましょう。臣従武将(全国マップ上で水色の陣営)が多いので、計画フェイズになったら「家臣への引立て」コマンドでこれらの武将を家臣にしておくと内政フェイズなどでコマンド実行武将にすることができます。近江統一後からが正念場で、できれば山城国をおさえたいところですが、隣り合う国の中で攻めやすい城から落としていくのがいいでしょう。武将としては、蒲生定秀が優秀です。
その他 近畿地方は城が多く大名家もひしめきあっているため、うまく立ち回れば細川家や筒井家、北畠家などでも十分に勢力を拡大することができるチャンスがあります。地方豪族の城を手に入れ他大名家との関係を悪化させないこと、奪った城は取られないよう強化し、常に奪う城が奪われる城より多くなるようにすることが大切です。当たり前のことですが、これを実現するのは難しいので攻め込む城をよくよく選ぶ必要があります。近畿一帯を征服したら、東西どちらかの勢力と同盟を結んでもう片方の勢力を叩くと良いでしょう。関東・東北は大雪などで進軍スピートがやや遅いため、こちらを攻めた方が若干有利です。

【中国】

毛利家
(安芸)

「天下麻のごとく乱れる」「猛虎迅雷」のシナリオでは、城をひとつしか持っていないため、非常に厳しい戦いとなります。大内家との同盟を結びつつ、敵対する大名家の手薄な城を攻め落として地道に勢力を伸ばす必要があります。「群雄割拠」「飛龍乗雲」では、勢力を拡大しているものの豊後の大友と尼子の両方から攻められる形となるため、ここでもどちらかに戦力を集中して先に滅亡させる必要があります。「巨星を継ぐ者」「太閤の遺産」では、すでに中国地方を治める大大名となっているので、九州統一を目指し、その後で宇喜多を蹴散らし近畿方面へ進めば良いでしょう。その際に宇喜多と同盟を結ぶか、城を強化して侵攻を食い止めるかはプレイヤーの好みで決めてかまいません。武将については、当主である毛利元就の能力が非常に高いので「天下麻のごとく乱れる」などのシナリオで使わない手はありません。「巨星を継ぐ者」「太閤の遺産」では元就の孫の毛利輝元が当主であり、若干能力値が低めです。その代わりに頼れる武将が多数いますので、彼らを使いましょう。特に小早川隆景吉川元春安国寺恵瓊の三人は能力値が高いので重宝します。
大内家
(周防)

戦国時代初期に隆盛を誇った大名家だけに「天下麻のごとく乱れる」「猛虎迅雷」のシナリオでは数国を治める大大名の状態から開始することができます。特に「猛虎迅雷」ではシナリオ開始時点で最大勢力となっており、史実に沿うように北九州を制圧したり、毛利家を使って尼子家に攻め込んだりといった楽しみ方も可能です。戦略としては、九州の大友家島津家が勢力を伸ばす前に九州を平定し、そこから反転して中国・四国を治めてそのまま上洛(山城国を目指す)するという形になります。優秀な武将が少なく、武勇の高い冷泉隆豊くらいしかいないので、尼子家大友家を攻める際に引抜くなり降伏させるなりして人材を確保しよう。
宇喜多家
(備前)

「天下麻のごとく乱れる」「猛虎迅雷」など戦国初期からはじまるシナリオでは、まず生き残ることから考えなければならない難易度の高い大名家です。庇護してくれている浦上家からすぐに独立し、その城を奪って備前の国の覇権を握っても西に大内家毛利家、東に近畿の諸大名と攻略がかなり難しいです。「巨星を継ぐ者」「太閤の遺産」では、すでに備前の国を統一した状態ではあるものの、こちらも中国地方の大半を占める毛利家からの圧力がかかります。しかし、天下統一を目指すためには打ち倒すしかないので、東側の大名家とは同盟を結び毛利家の手薄な城を少しずつ削っていくようにしましょう。余裕があれば、四国に侵攻して領地を広げると良いでしょう。当主の宇喜多直家宇喜多秀家の他、明石景親・全登親子、花房正幸が有用なので積極的に使いましょう。
尼子家
(出雲)

シナリオ開始時点で伯耆(ほうき)と出雲の城のほとんどを支配しているので、内政フェイズで「楽市楽座」などをおこなうと良いです。同時に計画フェイズの「家臣への引立て」コマンドで臣従武将(全国マップ上で水色の陣営)を家臣にしたり、隣接する国の独立豪族の城を攻め落として勢力を拡大したりしておく必要があります。その上ですでに関係が悪化している毛利家、吉川家、大内家を叩きましょう。牛尾幸清は合戦にも内政や外交のコマンドにも使える万能武将なので、重用するべきです。合戦では武勇の高い本城常光も活躍してくれることでしょう。また、ゲームを進めると仕官してくる山中鹿介尼子家を語る上では外せない武将であり、有能なのでぜひ登用しましょう。
その他 小早川家、吉川家、三村家など中国地方の大名家の場合は巨大な勢力の大内家・毛利家とどう付き合っていくのかが攻略のポイントとなります。基本的には同盟を結び、その大名家がいない方向へ攻めていくと良いでしょう。うまくいけば、大内家毛利家が攻め落としきれなかった城を手に入れられます。勢力差が大きいので同盟を破られて攻め込まれると非常に危険です。外交フェイズでは常に使者を送って関係を良くしておく必要があります。序盤を生き残ったあとは、大内家毛利家に頼らず独立していくことになります。時にはこの2大名家に反旗を翻すことにもなるでしょう。優秀な武将がいること、内政を十分におこなって力がついていること、狙っている大名家が他の大名家と交戦中であることといった条件が独立するタイミングとなります。

【四国】

長宗我部家
(土佐)

「天下麻のごとく乱れる」「猛虎迅雷」など戦国初期のシナリオでは一乗家につき従う大名家であり、天下統一は上級者であってもなかなか難しい大名家です。敵対する大名家や豪族の城を奪い、力をためたところで一乗家に反旗を翻し、伊予・阿波と四国統一を目指す必要があります。ただし、四国を治めたあとにはすでに中国地方の支配を広げた大内家毛利家や九州の大名、近畿の大名などが立ちはだかるので、天下統一は至難のわざです。「巨星を継ぐ者」「太閤の遺産」では土佐を中心に領国がかなり広がった状態で開始できるので少し楽ですが、それでも早めに四国を出て活路を開かねばなりません。武将の能力も当主以外はそう期待できるものではないので、優秀な武将を引き抜くなどの対策も必要です。
その他 河野家、一条家など四国地方のその他の大名家で開始する場合は、まず四国内で一定の勢力を形成する必要があります。四国にはおよそ40の城がありますが、このうち3分の1は自らの支配する城にしておきたいところです。四国での地位を確立できたら、すぐに本州へ移る必要があります。四国での勢力争いに集中していると中国地方や近畿地方で他の大名家が力をつけて太刀打ちできなくなってしまうからです。それぞれの大名家で最も攻めやすいところを攻めて本州に上陸しましょう。その後は上陸した国の城すべてを落とすのが理想です。本州上陸後は合戦による消耗も激しいので内政で収入をあげておき、軍備フェイズで兵を常に補充するように心がけましょう。

【九州】

大友家
(豊後)

西に小弐・龍造寺家、南に島津家、東に大内家毛利家三方面から攻められる恐れがあるので豊富な武将数といえども気が抜けません。まずは筑前・筑後方面に進軍し、最も距離が近い小弐・龍造寺家を倒すか同盟を結び封じてしまいましょう。大友家は臣従武将(全国マップ上で水色の陣営)が多いので、計画フェイズの「家臣への引立て」コマンドで家臣にしておきましょう。内政コマンドなどで実行武将にすることができるようになります。続いて、九州南部の城を落として島津家をつぶすか同盟でおさえてしまった後、中国地方へ攻め込みます。中国地方をほぼ手中におさめたら、あとは一気に領土を拡大していきましょう。大友家は当主の大友義鎮大友義鑑戸次鑑連(立花道雪)以外は特に有力な武将がいないので彼らを軸として用い、優秀な武将が仕官してきたら登用して積極的に使うようにしましょう。
龍造寺家
(肥前)

「飛龍乗雲」までのシナリオでは小弐家に従う大名家で、「巨星を継ぐ者」以降のシナリオでは肥前一国を治める大名家となっています。どのシナリオでも、まずは肥前国内の統一を目指しましょう。肥前を平定したら、今度は筑前・筑後の城を攻めます。このとき、おそらく大友家と争うことになります。手ごわい相手ですが、ここは何としても勝利を収める必要があります。島津家とは外交フェイズで使者を派遣して攻め込まれないようにしておき、中国地方・四国を切り取ってそのまま近畿の方まで攻めていきましょう。コマンドは政治と智謀が高い鍋島直茂など鍋島姓の武将や木下昌直を用いると良いでしょう。合戦は武勇と統率の高い龍造寺隆信を出陣させると良いです。
島津家
(薩摩)

ビギナーにおすすめの大名家です。「巨星を継ぐ者」以降の戦国時代末期からはじまるシナリオでは、すでに南九州を支配しています。そのまま北上して龍造寺家大友家を破り、早めに九州統一を成し遂げるようにすれば毛利家などの中国地方の大名を圧倒することができます。合戦は武勇と統率の高い島津義弘島津家久、新納忠元あたりを出陣させましょう。内政や外交などは政治と智謀が高い川田義朗や島津歳久に実行させるのがおすすめです。なお、戦国時代初期のシナリオでは島津家をひとつにまとめるところから始めなければならないため、難易度は高めとなります。
その他 小弐家や伊東家、肝付家など九州地方のその他の大名家で開始する場合には、まず大友家島津家のどちらかの大名家と同盟を結ぶ必要があります。その際の判断基準としては、近くて攻め込まれやすいかどうかこちらの侵攻の妨げにならないかが重要です。そのため、時には両方の大名家と同盟を結んだりすることにもなるでしょう。序盤は国内統一・九州統一を目指して動き、同盟国よりも多くの領地を奪うことに集中します。その後、同盟国が裏切って攻めてきた場合はこれに対抗し、そうでなければそのまま中国地方へ進みます。ここから先はそれぞれの地方を制覇した大名家との厳しい戦いになるので、コツコツと地道に城を奪っていきましょう