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やまと:「ふんふんふーん♪」 | ||
やまとは鼻歌を歌いながら司令室を後にする。どうやら出撃が相当嬉しいらしい。 | ||
ナ ナ:「どんな娘が来るんだろうね」 | ||
レ イ:「司令官殿の理想を詰め込んだと言っていたが……」 | ||
ナ ナ:「装甲が硬い娘だったらいいな」 | ||
レ イ:「私は機動力のあるヤツがほしい」 | ||
ナ ナ:「でも、司令官殿の理想を詰め込んでるんだよね……」 | ||
レ イ:「司令官の特徴といえば……」 | ||
二人でうーん、と考え込む。 | ||
レ イ:「あんまり威張ってなくて、普段は頼りないけど、やるときはやってくれる人だな」 | ||
ナ ナ:「でも、幼女趣味はいただけないよね」 | ||
レ イ:「そうだな、幼女趣味は……」 | ||
と言いかけて、はたと顔を見合わせる二人。 | ||
レイ&ナナ:「幼女趣味……」 | ||
レ イ:「まさか、な……」 | ||
ナ ナ:「いくら司令官殿でもそこまでは、ね……」 | ||
頷きあう二人。やまとはそれを気にもせずに上機嫌で歩いていた。 | ||
数日後、レイ達の下へ新型兵器が来る日が訪れた。 | ||
司令官はレイ達を連れ、新人がやってくるのを今や遅しと待っている。 | ||
司令官:「まだかなまだかな~♪」 | ||
ナ ナ:「司令官殿、目に隈が出来てますよ。どうしたんですか?」 | ||
司令官は実にいい笑みを浮べて、嬉しそうに口を開いた。 | ||
司令官:「興奮のあまり、昨日は寝付けなかったんだよ。はっはっはっ」 | ||
ナ ナ:「ねぇ、レイ……やっぱり……」 | ||
レ イ:「不安が募る、な……」 | ||
やまと:「どんな奴が来るのかは知らないが、戦力が増えるのは喜ばしいことだな」 | ||
今、日本軍はソロモン方面からフィリピンに向かい上陸前の砲撃と空襲後に大規模な上陸が展開されて、次々と占領されている状況であった。 | ||
ナ ナ:「そ、そうだねっ。戦力が増えるのは嬉しいことだよねっ」 | ||
ナナは、気を取り直してやまとに相槌を打つ。 | ||
レ イ:「いい加減、連合軍の侵攻を止めないとな」 | ||
やまと:「だが今の状態だと、それは難しいな」 | ||
???:「心配はございません、お姉さま方」 | ||
三人が同時に声の方向を向くと、可愛らしい巫女服の女の子が立っていた。 | ||
レ イ:「まさかこの子が……」 | ||
ナ ナ:「いや、ちょっと待って。まだそうだとは限らないよ」 | ||
ナナは女の子に近づき、名前を聞いた。 | ||
ナ ナ:「君は誰?」 | ||
???:「はい、ナナお姉さまの後継に当たります。てんざんと申します」 | ||
レイ&ナナ:「やっぱり……」 | ||
そろって頭を抱えるレイとナナ。二人の目が行き着く先は、そのあるんだかないんだかわからない胸(装甲。 | ||
その薄さたるや、自分たちの比ではない。司令官を見ると、かつてない笑顔でてんざんを歓迎していた。 | ||
司令官:「よく来てくれたな、てんざん君。私はここの司令官だ。司令官殿と呼ぶがいい」 | ||
てんざん:「はい、司令官殿」 | ||
司令官:「ぐはっ!! イイっ!!」 | ||
司令官が鼻血を噴いた。構わずてんざんは三人を見ると、にっこりと微笑んだ。 | ||
てんざん:「お姉さま方に負けないよう頑張ります」 | ||
両の拳を胸の前で握り意気込む。 | ||
その姿を見た、レイとナナはにっこりと笑う。 | ||
レイ&ナナ:「いい子だ」 | ||
レイはてんざんの手をしっかりと握った。 | ||
レ イ:「一緒に頑張って行こうな」 | ||
この時、レイの心にはかつてない、慈愛の感情が溢れており、これが母性愛というものかと自分で驚いていた。 | ||
ナ ナ:「ボクがしっかりと、艦攻の何たるかを教えてあげるよ」 | ||
ナナがてんざんの頭を撫でた。 | ||
ナ ナ:「うわ、てんざん、髪さらさらだ」 | ||
てんざん:「お姉さまの髪も、つややかで綺麗です」 | ||
やまと:「司令官殿、これで四人揃ったよな? というわけでこの前の作戦の説明を頼む」 | ||
やまとは意気揚揚と司令官に伝えたが、司令官は聞いちゃいなかった。 | ||
司令官は今まで見たことがないほどに、生き生きとしている。 | ||
司令官:「長旅で疲れたろうからゆっくり休みなさい」 | ||
てんざん:「ありがとうございます」 | ||
レ イ:「好きな飲み物はなんだ?」 | ||
てんざん:「梅昆布茶です」 | ||
ナ ナ:「好きな食べ物は?」 | ||
てんざん:「最中です」 | ||
ナ ナ:「ねぇ、てんちゃんって呼んでいい?」 | ||
てんざん:「はい」 | ||
司令官とナナ、そしてレイまでもがてんざんを甘やかしていた。取り残されたやまとは、ちょっとした疎外感に駆られる。 | ||
やまと:「オレの話を無視するな――――――っ!!」 | ||
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