はたして、ドイツに呼応してソ連を背後から突くのか。
それとも燃料問題を解決すべく、
オランダ領インドネシアに対して侵攻を企てるか。
軍指導部は2つに分かれて大いに論争し、
度重なる御前会議の末、日本はソ連を主敵とせず、
燃料問題の解決を第一とするに至ったのである。
そして計画上、南方からの石油の輸送は、
船舶に頼らなければならず、
輸送航路の中間地点たるフィリピンの攻略を企図するため、
対米戦は避けられぬものと考えられるようになっていた。