主な登場人物
ひあがり(ひ):
てなもんや球団、「オクラホマ・ミキサーズ」を率いて、パ・リーグ戦線をかき回そうとカクサクする、自称野球キ○ガイ。
シロウト(シ):
お手軽銘銘球団、「筑前アルファ」なるチームを突貫工事でデッチあげた、自称野球バカ。
第6回「来た見た勝った!のか? 開幕戦 筑前アルファ編」
シ「なんだか、今朝も機嫌が悪いようですね? 何かあったのですか?」
ひ「何かもアレもないんだよ! 君の事を慮って、チーム順位をシャッフルしたんだが、なんと我がミキサーズは、開幕戦でライオンズと激突してしまうハメに。とほほ、だよ。
しかし、だ。強敵ほど倒しがいがある! ではなく、強敵だからこそ、負けた時のいい訳がナンボでもできるのだ! オールウェイズ・ポジチブシンキン! だよ、シロウト君」
シ「つまり開幕戦は捨てゲームなんですね?」
ひ「バカヤロー! 戦う前から負ける事を考えてやるヤツがいるかよ!
必ず克つ! の信念で逝くのだ! どーせだからと、初期データでは二軍落ちしていたカブレラ選手を4番にセットしておいたぞ。
しかも先発は松坂! 相手にとって不足はない! この強敵に克ってこそ、勝利の喜びもヒトシオと言う塩梅なのだ!
では、私は西武ドームで観戦する。君はYahoo! BBスタジアムだろう?
せいぜい「いえまえ打線」に打ち捲くられて呉れ給へ! ズキュンズキュン!」
シ「了解しました。ボクのチームの強さを天下に知らしめしてみせますから!」
ひ「ウム、その意気だ。しかしシロウト君、勝利とはあくまでも結果に過ぎない。プロセスを楽しんでコソなのを忘れるな。
それからもうヒトコト」
シ「まだ何かあるんですか?」
ひ「ウム。試合形式は『観戦モード』に限定するのだ。なおかつ、観戦中に采配を揮ってはならないルールを採択する!」
シ「え~~っ! 2004年版からは、せっかく『観戦モード』でも采配ができるようになってるのに、それを捨てちゃうんですか?」
ひ「ウム! 一切手出しせず、純粋にオーナーや観客の立場で楽しむ方法もあるのだ。楽しみ方は人それぞれ。
我々のスタイルは、これとしようではないか。
それにだ、『スキップモード』なんかでプレイした日にゃ、ペナントレース135試合が30分もかからずに終わってしまうからな。それじゃ喜怒哀楽を楽しめないだろう?」
シ「はいはい。そうでした、『スキップモード』では、3秒くらいで1試合が終わってしまうんでしたね。
逆に『監督モード』だと、1球1球を見てなくちゃならないから、1試合で30分近くかかってしまうし。
やっぱり15分程度で1試合が終わる『観戦モード』が適切なのかも。
それにこれは、ひあがりさんが始めた企画ですからね。ご意見に従いますよ」
ひ「ではイザ逝かん! 戦場へだ!」
シロウト「実況は、システムソフト・アルファーのハートのエースこと『シロウト』と、解説は『掛川 卓之』さんでおおくりいたします。掛川さん、よろしくお願いします」
掛川 卓之(以下:掛川)「よろしく」
シ「さて、やっと開幕しました。システムソフト・アルファー特別企画 『戦略プロ野球2004』を使ってオリジナル・チームを創作し、その育成競争を君と私とでレツゴー!
前回、ひあがりさんが言われた通りに、登録順番をシャッフルし、日程を少しばかりイジった事によって、筑前アルファは大阪近鉄バファローズとの開幕戦になりました」
掛川「非常に興味深い開幕戦ですね」
シ「それでは、さっそくプレイボール」
シ「開幕投手は、筑前アルファのエース『天神』」
掛川「開幕戦の一戦は、ペナント135試合の縮図のようなものです。この一戦で、今期のペナントレースの行方が決まると言っても過言ではないですね」
シ「1番遊ゴロ、2番三振と楽々とツーアウトです。天神の調子は、良いみたいで……!おっと!」
シ「なんと、3番川口に、ポール直撃のホーーーームラン!
まさか開幕戦で、今作から導入されたシステム、ポール直撃をお目にかかるとは!?」
掛川「野球は、何が起こるか分かりませんからね」
シ「大阪近鉄バファローズ、1点を先制です。
天神、川口の一発に動揺しているのか、4番中村に簡単に中安を打たれてしまいます」
掛川「非常に嫌な流れですね」
シ「おっと! 中村、走った! 返球! タッチ、アウト!
まさか、中村が走ってくるとは!?」
掛川「野球は、何が起きるか分かりませんからね。しかし、天神投手は非常に助かったでしょう」
シ「大阪近鉄バファローズの開幕投手は『岩隈』投手。安定した投球で、1回を三者凡退で抑えます」
掛川「今日の岩隈投手の調子は良いですね。これは、1点取るのは至難ではないでしょうか」
シ「こちらは変わって「天神」。どうも、コントロールがさまにならないのか、連続四球で1死満塁にしてしまいます。
そして的山にも四球の押し出しで1点、大村の遊ゴロの間にもう1点が追加されてしまい、0-3」
掛川「非常に悪い点の取られ方ですね」
シ「しかし、その後は美野島のファインプレーにも助けられて後続を抑えます」
シ「岩隈投手は、またしても小気味の良いピッチングで2回を三者凡退で抑えます。3回表では、天神投手が初めて三者凡退で抑えます」
掛川「やっと、彼本来のピッチングをしてくれましたね。非常に良くなってきているのではないでしょうか」
シ「そして、その裏の岩隈投手。四球で初めてランナーを出すものの、二死までこぎつげますが、その間、ゲッツー崩れで1塁に元町を残します。
迎える打者は一回りしてきた1番那珂。見事に中前打。続けて2番美野島にも中前打が飛び出し、筑前アルファー、1点を返します」
掛川「那珂選手の時から、岩隈投手のピッチングが非常に単調になりましたね。ストライクを取ろう取ろうと急かしすぎましたね」
シ「その急かしすぎるピッチングのせいなのか、3番博多にも中前打を打たれ1点を追加されて3-2」
掛川「ここが勝負の別れ目ではないでしょうか」
シ「それは、どういう事ですか?」
掛川「ここで同点、あるいは逆転されたら……」
シ「打ったーーーーーー!
4番山王の、起死回生スリーランホーーーーームラン!!
ツーストライクから、甘く入った球をジャストミート!!!」
掛川「4番らしい4番のバッティングですね」
シ「5-3!掛川さん、筑前アルファが逆転しましたよ!」
掛川「そうですね。しかし、天神の調子がピリッとしていないので、充分バファローズも逆転できる可能性があると思いますね」
シ「岩隈は、後続の中洲を打ち取り、やっと長い3回裏が終了」
掛川「野球に『もしや、たられば』は禁句ですが、あの時、ダブルプレーを取っていれば……。非常に悔やまれますね」
シ「4回の表、裏は両投手ランナーを出すものの無失点で切り抜けます」
シ「そして、5回の表。いけません、天神。何と三者連続四球で出塁。ノーアウト満塁でバッターは、4番の中村。天神、最大のピンチです」
掛川「私の予感は的中しましたね。ここは最低でも、犠牲フライで1点を」
シ「おっと、中村。ストレートを引っ掛けて遊ゴロ。ホームに返球でワンアウト」
掛川「非常にいけませんね。ノーツのカウントなのに、安易に手が出るとは。しかし、次のバッターの磯部選手。この選手も一発がありますから、安心できませんよ」
シ「しかし、5番磯部はスライダーで三振!」
シ「続く北川は中飛でスリーアウトチェンジ。天神、最大のピンチをなんと無失点で切り抜けました」
掛川「非常にバタバタとしたあげくに、カラカラな感じでしたね」
シ「さて、6回の表。おっと、投手交代です。エースの天神に変わって、『大牟田』です。チーム唯一のナックルの使い手、大牟田です」
掛川「少し早い交代な気がしますが、継投策でこのまま逃げ切るつもりですね。大牟田投手は制球力も球威も充分あるので、非常に打ち崩せないでしょう」
シ「掛川さんのおっしゃる通りに、大牟田、6回7回を0点で抑えます」
掛川「追いつこうという焦りというものがあったのでしょう。バファローズの選手は、ボール球に手を出していましたね。それじゃいけませんよ」
シ「さて岩隈投手の方は、6回を投げ切って降板」
掛川「岩隈投手は少し不甲斐無いピッチングでしたが、ペナントは始まったばかりですから、次に期待ですね」
シ「変わった『有銘』は、7回の裏を難なく0点で抑えます」
シ「さて、8回の表。筑前アルファまた投手交代です。今度は中継ぎエースの『唐人』です」
掛川「この投手は変化球が多彩ですし、なにより変化球の変化が少ししか変化しませんから、微妙に芯を外すんですよね」
シ「唐人も危なげなく、8回の表を0点で抑えます」
掛川「非常に良いですね。見事にバットの芯をずらしていました」
シ「8回の裏。有銘投手もまた、危なげなく0点で抑えます」
掛川「あまり試合が動きませんでしたね」
シ「さぁ、9回の表。筑前アルファーのストッパー、球界最速のMAX156の『大濠』がマウンドに上がります」
掛川「大濠投手は、確かに速い球を投げますが、変化球を全く覚えていません。つまりストレート一本の単調のピッチングになってしまいますから、狙い所はそこですね」
シ「しかし、速い速い。常時150kmのストレート。ストレートしか投げられないと分かっていても、この球はそう簡単には打たれない!」
掛川「だけど、コントロールの方に難があるみたいですね」
シ「二死を取ったものの、連続四球などで二死満塁。今日はこういう展開が多いですね」
掛川「非常にそうですね」
シ「しかし、5番磯部を152kmのストレートで空振り三振!
ゲームセット!!
筑前アルファ、開幕戦を制しました!!!
どうでしたか、掛川さん。今日の試合は?」
掛川「そうですね。打つべき人が打ち、守るべき人が守り、抑えるべき人が抑える。本当に筑前アルファらしい戦い方でしたね」
シ「まさに、135試合の縮図の一戦だった訳ですか?」
掛川「非常にそうですね。筑前アルファがこういう試合展開を常に行なっていけば優勝を狙えるのではないでしょうか」
シ「なるほど、そうですか。
おっと、そろそろ容量の都合で、ここまでのようです。
実況は『シロウト』と、解説『掛川 卓之』さんでお送りいたしました。
では、西武ドームで観戦しているひあがりさん。
そちらは、どんな展開ですか?」
ひ「開幕勝利オメデトウ! と言いたいところだが、あのね、シロウト君。
君のチームの勝ち方には美しさが無いんだよ! 美しさが! ノービューチーなんだよ! 勝てば良いってものじゃないんだよ!
と言う訳で、次回『投手はカープが命! 開幕戦 オクラホマ・ミキサーズ編』に続きますよ」