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 1988年犬吠崎沖、海江田艦長指揮の海上自衛隊所属ディーゼル潜水艦「やまなみ」がロシア原潜と接触、乗員全員と共に沈没した。しかしこれは、秘密裏に開発された、日本初の原子力潜水艦「シーバット」への乗員移行のための偽装工作であり、これから始まる世界規模の大事件への布石にすぎなかった。
 事故から数ヵ月後、処女航海に出た「シーバット」は航海プランを次々と消費、残すは米原潜との合流だけとなり、全て問題なく終わるかのように見えた……。だがしかし、合流ポイントに現れた「シーバット」は突然音響魚雷を発射、付近にいたロサンゼルス級原潜のソナー士達の聴覚にダメージを与えると海域から逃亡、その身を深い海に隠した。
 混乱する日米首脳陣を尻目に、数日後再び姿を現した海江田は、「シーバット」を戦闘国家「やまと」とすることを宣言する。「やまと」の存在に危険性を感じたアメリカそしてソ連は、即座に艦隊を派遣し撃沈の任に当たらせるが海江田はその悉くを打ち破り、結果「やまと」の戦闘能力の高さを全世界に証明することとなった。
 しかし、一連の「やまと」独立は単なる手段にすぎず、海江田の真の理想は世界全てを一つとする「世界国家樹立」であった。理想達成への次の足掛かりとして、海江田は日本との友好条約を求める声明を明らかにする。対し日本の竹上総理はこの声明を内外の反対を押し切る形で受諾、「やまと」は補給と修理を兼ねて一路東京湾へ進路を取った。
 全世界注目の中で日本との条約締結に成功した海江田は、ホットラインで会話を求めてきたアメリカのベネット大統領に、自分の思想を明らかにした上で国連総会出席することを約束する。
 横須賀沖でドック艦「サザンクロス」に収納された「やまと」は、無防備状態で米潜水艦に包囲され海域は一触即発の状態におちいる。そんな中、今までしつように「やまと」を追撃してきた深町艦長指揮のディーゼル潜水艦「たつなみ」は、上層部の命令から「やまと」護衛に就くこととなり、拭い去れない気持ちのまま、米潜水艦と対峙することとなった。