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ル リ:「AF及AO西部要地ヲ攻略スベシ」 | ||
ネ コ:「ルリちゃん何かのおまじないかニャー?」 | ||
ル リ:「違います。今度入手した日本軍の作戦です」 | ||
ル リ:「えっと……おそらく『AO』はこの位置と現在の状況を考えれば『アリューシャン』……」 | ||
ル リ:「だけど、『AF』は一体どこなのかしら」 | ||
ネ コ:「アフリカとかかニャー?」 | ||
ル リ:「今更日本がアフリカに進出するような余裕があるとは思えません」 | ||
ネ コ:「ふみゅ~……ニャーはそういうのは苦手だニャー」 | ||
ル リ:「それくらいわかってます。ネコの力は当てにしていませんから」 | ||
ネ コ:「ニャー、それは心外だニャー」 | ||
ネ コ:「こうなったらハイネちゃ~ん、ニャーに力を貸して欲しいニャー」 | ||
ネコはハイネに助けを求めたものの、いきなり暗号の解読をやれと言われてできるものでもなく、堂々巡り―― | ||
ネ コ:「AFって何かニャー?」 | ||
ネコはルリとハイネに再度聞いてみるが、二人とも首をかしげるばかりだった。 | ||
ハイネ:「自分にはわかりません」 | ||
ル リ:「AFの指す場所さえわかれば、今度の作戦は勝利したも同じです」 | ||
ネ コ:「うーん、なんだろニャー。気になるニャー」 | ||
ル リ:「なんでしょうねぇ……」 | ||
ネ コ:「アメリカ、アラスカ、ハーワーイー。ガラパゴス諸島ー」 | ||
ハイネ:「ガラパゴス諸島は関係ないと思いますが」 | ||
ネ コ:「そうかニャー。ニャーは行ってみたいんだニャー」 | ||
ハイネ:「どうしてでありますか?」 | ||
ネ コ:「ゾウガメを見たいんだニャー。やつらはすごいんだニャー」 | ||
ネ コ:「木の上にあるサボテンが落ちてくるまで、ずーっと待ってて、落ちてきたらむしゃむしゃ食べるんだニャー」 | ||
ネ コ:「ニャーはそんなに待っていられないから、尊敬してるんだニャー」 | ||
ハイネ:「そうでありましたか」 | ||
しかしそんな知識は、今必要ではない。 | ||
ル リ:「私はカリーがたくさん食べれる場所が好きですね。インドカリー、ジャワカリー、キーマカリー」 | ||
ハイネ:「ルリさんはカリーがお好きだったのですね」 | ||
ル リ:「ええ。配給食もカリーの日は必ずおかわりするわ」 | ||
やはり、どうでもいいことを語るルリ。わざわざ拾ってあげるハイネは優しいと見ていいだろう。 | ||
ハイネ:「それより、AF作戦って本当になんでしょうね」 | ||
ル リ:「何でしょうかね。んー……」 | ||
考え込む三人。しばしの沈黙が続く。 | ||
その沈黙を破ったのはネコで、ごろん、と仰向けに倒れた。 | ||
ネ コ:「考えることに飽きたニャー」 | ||
ル リ:「恐らくどこかの島だとは思いますが……一つためしてみましょう」 | ||
ルリがうっすらと笑う。その笑みをみて、ハイネは口を開いた。 | ||
ハイネ:「なにか、よい作戦でも思いついたでありますか?」 | ||
ルリはゆっくりと頷いた。 | ||
ル リ:「私の考えでは、AFはハワイもしくはミッドウェーと判断しました」 | ||
ル リ:「そこでAFをミッドウェーと仮定してミッドウェーについての虚偽報告を平文で打つわ」 | ||
ル リ:「当たりをつけた島から虚偽情報を流せば、何らかの反応はあるでしょう」 | ||
ネ コ:「どんな反応があるのか楽しみニャー。きっと馬鹿な日本軍は真に受けて、踊らされるんだニャー」 | ||
ルリはミッドウェーから、ろ過装置の故障で水不足、という報告を行わせた。 | ||
ルリたちが偽情報を流すと、日本軍のその情報を傍受した通信員が、『AFが水不足』という文を流した。 | ||
日本軍の電文からAFが特定でき、偽情報作戦が成功した。 | ||
ネ コ:「ほら、ニャーが言ったとおりニャー」 | ||
ル リ:「この作戦を考えたのは私ですよ」 | ||
ネ コ:「みぎゃっ。それでもニャーの予想は当たったんだニャー!!」 | ||
ル リ:「はいはい」 | ||
ネ コ:「はいは一度で充分ニャー! ルリちゃんはニャーのこと馬鹿にしてるニャー」 | ||
ル リ:「そんなことはありませんよ」 | ||
言い合いをしている二人のそばに、ハイネがやってくる。 | ||
ハイネ:「うまくいったようであります」 | ||
ル リ:「信頼できる情報ではありましたが、かけに近い作戦が成功しましたね」 | ||
ルリは楽しそうに目を細めた。 | ||
ル リ:「これでこちらの勝率は高くなりました」 | ||
ネ コ:「う~、楽しみだニャー!」 | ||
ネコは戦闘の予感に、ただただわくわくしていた。この前の雪辱戦だ。 | ||
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