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| ミハエルがエル・アラメインへ到着すると、そこには憤怒の顔のマチルダが待ち受けていた。 | ||
| とりあえず久々の再会ということでミハエルは軽く手を上げた。 | ||
![]() | ミハエル:「よっ。久しぶりだな。お互い生きてて良かったなぁ」 | |
![]() | マチルダ:「…………っ」 | |
![]() | ミハエル:「ん? どした? もう戦闘モードか? ならこっちも容赦しねぇぞ?」 | |
| ミハエルがマチルダの前で手をひらひらと振る。 | ||
![]() | マチルダ:「…………っ!! あなたは!! わたくしとの再戦を放っておいて!! 今まで!! 一体どこにいらしたの!?」 | |
![]() | ミハエル:「ああ、総統命令でソ連まで戦い―――」 | |
![]() | マチルダ:「ライバルであるこのわたくしとの決着もつけないで、勝ち逃げは許しませんことよ!!」 | |
| あまりの剣幕で怒られるものだから、ミハエルも簡単に火がつく。 | ||
![]() | ミハエル:「命令だから仕方ないだろう!!」 | |
![]() | マチルダ:「そんな命令を出した覚えはありませんわ!!」 | |
![]() | ミハエル:「なんでオレが敵の命令を聞かなきゃなんねーんだよっ!!」 | |
![]() | マチルダ:「……何日も何日も何日もっ、砂漠で立ち尽くした責任をどうとってくださるのっ!?」 | |
![]() | ミハエル:「正式な日取りも決めてないのに待つのがおかしいだろう!!」 | |
![]() | マチルダ:「なぁんですっぇぇええっ!!」 | |
![]() | ミハエル:「そんなに戦いたかったらソ連まで来ればよかっただろうがっ!!」 | |
![]() | マチルダ:「なぜわたくしがそんな寒いところへ行かないといけませんの!?」 | |
![]() | ミハエル:「そんなのお前のわがままだろう!!」 | |
![]() | マチルダ:「わがままなのはどちらだとお思い!?」 | |
![]() | ミハエル:「お前だ!!」 | |
![]() | マチルダ:「いいえ、あなたです!!」 | |
![]() | ミハエル:「だいたい決闘の日取りも決めずに待ってるなんて、馬鹿のすることだろう!!」 | |
![]() | マチルダ:「ば、馬鹿ですってぇええっ!! ライバルを放っておくあなたのほうが馬鹿ではありませんの!!」 | |
![]() | ミハエル:「なんだとコラ!?」 | |
![]() | マチルダ:「なんですの!?」 | |
![]() | ミハエル:「上等だ!! 表へ出ろ、こら!!」 | |
![]() | マチルダ:「ココはすでに表です。お馬鹿さん!!」 | |
![]() | ミハエル:「今日は決着つけてやろうじゃないか!!」 | |
![]() | マチルダ:「望むところですわ!!」 | |
| 実にくだらない戦闘が、始まった。 | ||
| 双方極度の興奮状態で、ミハエルは機銃をでたらめにぶっ放す。 | ||
| だがマチルダは避けることもせずに、真ん中を突っ切ってくると逆に主砲を発射する。 | ||
| しかしミハエルも主砲で応戦し、二人の間で爆発が起こる。 | ||
| 今度はマチルダが機銃でミハエルの足を止めにかかる。 | ||
![]() | ミハエル:「しゃらくせぇっ!!」 | |
| ミハエルがよけようとすると、マチルダは主砲を砂の地面に向け発射し砂の壁を作ってミハエルの視界を防ぐ。 | ||
| そして、ミハエルの背後へと回り込む。 | ||
![]() | マチルダ:「もらいましたわ!!」 | |
| 主砲を構えるマチルダだったが、ミハエルは撃たれてたまるかと、マチルダに体当たり。 | ||
![]() | ミハエル:「おい、いつものスマートな戦い方はどうしたよ!!」 | |
![]() | マチルダ:「あなたに勝つためならば、プライドなど安いものです!! 肉を切らせて骨を絶つ、という言葉があるでしょう!?」 | |
![]() | ミハエル:「はっ。いい度胸だ。気に入ったぜっ!!」 | |
| 馬鹿馬鹿しく始まった戦いも、当人達を除けば真っ当な戦闘を行っており、ドイツ軍の猛攻によりイギリス軍は十分な損害を負っていた。 | ||
| そして、ミハエルとマチルダの戦いも終わりを見せ始めていた。 | ||
| ボロボロになり膝をつくマチルダは、肩で息をしながらまだ終わらないと闘志を失っていない。 | ||
![]() | マチルダ:「まだ、まだまだですわ。まだわたくしは戦えます」 | |
| その言葉に、同じくボロボロになりながら肩で息をするミハエルはにやりと笑い、拳を上げて構える。 | ||
![]() | ミハエル:「面白い。かかって来いよ」 | |
| 双方すでに弾は撃ち尽くしており、残ったのは己の体のみでキャットファイトが展開する。 | ||
![]() | ミハエル:「このこのこのっ」 | |
![]() | マチルダ:「お、女の顔に傷をつけましたわねぇっ。このこのこのっ」 | |
![]() | ミハエル:「いててててっ。髪を引っ張るな。こんちくしょうっ!!」 | |
![]() | マチルダ:「痛っ。噛み付くなんて、なんて下品な攻撃なんですの!! これだからドイツ軍は嫌いなのです!!」 | |
![]() | ミハエル:「いってぇっ!! びんた張ることねぇだろうが。このっ」 | |
| イギリス兵士:「マチルダ様。落ち着いてくださいっ」 | ||
| ドイツ兵士:「ミハエル殿も。もう戦える状況ではありませんっ。イギリス軍に痛手は与えました」 | ||
| ドイツ兵士:「ですが残りの弾薬では、エル・アラメインを落とすことは不可能です」 | ||
![]() | マチルダ:「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」 | |
![]() | ミハエル:「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ」 | |
| 各兵士に動きを封じられているマチルダとミハエル。 | ||
![]() | マチルダ:「まだ勝負は終わってませんわ!!」 | |
![]() | ミハエル:「そうだ!! お前らは引っ込んでろ!!」 | |
| イギリス兵士:「もっとまともな戦いをしてください」 | ||
| ドイツ兵士:「そうです。今の戦いは、はっきり言って無駄です」 | ||
| 各兵士になだめられて少しは頭が冷えたのか、マチルダはこほんと咳払いをした。 | ||
![]() | マチルダ:「そうですわね。決着は、次にあったときにつけるとしましょう」 | |
![]() | ミハエル:「いつでもかかって来いよ。つぶしてやる」 | |
![]() | マチルダ:「望むところですわ」 | |
![]() | ミハエル:「じゃ、今日はこれで終わりだな」 | |
| こうして、なんともくだらない戦闘は終わりを告げたのであった…。 | ||
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