これは本当に起きるかもしれない
「現実」
のシチュエーションだ――
シリーズ最新作である本作は、
「共同作戦によるトライバル・エリアの武装勢力“T”の掃討作戦」
「グリーンゾーンの大使館が迫撃砲の直撃を受けた事件」
「大河メコンの国で起こった反独裁民主戦線部隊の鎮圧」
「軍事クーデターを起こしたテロ組織と暫定政府連合軍の戦い」
など、今、世間を不安に陥れている事件をモチーフにした
オリジナルシナリオを収録しています。
○二国共同作戦
部族地域で両国共同作戦
Mr.Oについて知るものは少ない。
黒いターバンの隻眼の様相。物静かだがその言葉は力強く、従うものたちを鼓舞して止まない。不屈の精神で永き苦境を戦いぬく傑出した指導者。
……そのように伝えられているが、正体は様として知れない。並び恐れられるあの男と違い、Mr.Oはメディアに出ることは殆ど無いのである。彼もまた、ある武装組織の指導者であった。
1978年に始まったBlue国紛争は、10年に及ぶ戦いの結果、Blue国の勝利で終った。熊は山岳地帯の十字路を通過できず、パンジシールの獅子に喉笛を噛み千切られたのである。
しかし、戦後のBlue国は、かつて共闘した軍閥同士が血で血を争う地獄と化した。
その中で台頭したのが、Mr.Oの武装組織である。
○No More Change
Green国、派兵へ。
グリーンゾーン。
そこは見せ掛けの楽園。Green国の石油に群がるトランス脂肪酸で膨れた豚の棲家。Green国首都中心部一帯、約10平方キロにわたるBlue国軍直轄地。
ハンバーガーチェーンが出店し、リゾート施設さえ完備したこの場所は、Blue国の飛び地の態を為している。
2009年1月。Blue国軍はGreen国首都のBlue国軍管轄区域、通称グリーンゾーンの治安権限をGreen国政府に譲渡した。
Blue国軍は対テロ掃討作戦からテロ警護および武装勢力との和解へと方針を替え、増派の影響もうけてGreen国内の治安は回複しつつあった。2011年12月のBlue国軍完全撤退に向けて、準備は着々と進んでいた。
グリーンゾーンはGreen国首都に作られた。ある種の仮想空間である。そこには戦火に見舞われた街とは対照的に豪華な建築物が立ち並ぶ。
その外では車爆弾が爆発し、Blue国軍兵は異国で還らぬ人となる。
○王国抗争
Blue王国に非常事態宣言
201X年。Blue王国は赤く染まった。雄大な河の流れは干上がり、首都には銃声が木霊した。王国は、その微笑を失ったのである。
Mr.シンは並の男ではなかった。
2001年に首相となったMr.シンを支持したのは、開発に取り残された貧しいものたちである。折りしも世界的な経済危機の直後。紙幣は血に染まり、首都には失業者が溢れた。Mr.シンは文字通り救世主としてBlue王国に現れたのである。
しかし、Mr.シンは救世主などではなかった。利益誘導による絶大な支持を背景にして、次第にMr.シンはその本性を現していく。特定部族の住民への弾圧と虐殺。軍事政権よりも悪化した汚職。麻薬撲滅にかこつけた反対派の抹殺。
そして2006年。"決定打"となる事件がおきる。彼が自ら会長を務める通信会社の売却時に明るみになった、異常に低い課税率。臆面も無い脱税工作はBlue王国民の怒りを掻きたてた。
○獅子の咆哮を聞け
Red国駐屯地に激震が走る。
乾いた大地に咲き乱れる、美しい花々。その花がある限り、この国に争いは絶えることはない。花の学名はパパベル・ソムニフェルム。芥子である。
Blue国は全世界で流通する阿片の8割を生産する。貧しいBlue国民は、通常の作物の三倍の利益をもたらす芥子栽培をやめることができない。
美しいが死臭のごとき芳香のこの花は、文字通りBlue国民の血と屍で咲いていた。有志連合軍とRed国がBlue国に駐留し続ける限り、忌まわしき花は咲き続けるであろう。
200X年12月、Red国の大統領は陸軍士官学校において演説を行い、対Blue国新戦略の方針を打ち出した。
※HPのスクリーンショットは、開発中のものです。
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