半島の夜明け

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2008年8月以降、KJ総書記の正確な動静が伝えられなくなってから数ヵ月後。すでにKJは、脳疾患が原因で再起不能な植物状態に陥り、9月には死亡していたとする説が、C国の情報筋からもたらされた。その後、時折NK国メディアに登場した総書記も、影武者だったというのだ。問題となるのはその後継者、または後継体制だった。KJが寵愛したKHとの間に出来た次男・JTは、女性ホルモンが過剰分泌される病に冒され、さらに運動中に負った怪我の治療をきっかけにモルヒネ中毒に陥り、党中央・軍事委員会からも後継者としての資質を満たしていないと判断されていた。また、同じくKHとの間に生まれた三男・JUは、母親の死後アルコール依存症に陥り、重度の高血圧・糖尿病を患い、やはり統治能力が欠落していると判断されたという。ここで有力者として浮上するのは、SKとの間に生まれた長男のKNだが、彼はC国政府からは支持を得ているものの、NK国国内では求心力を失っていると思われた。だが、これら先行情報の一方で、じつはすでに最高人民会議常任委員長のKEを中心とするRD党指導部が実権を掌握し、C国に滞在中だったKM以外の2人は、すでに謀殺されたとの極秘情報が新たにもたらされたのである。しかもKEは、C国からの帰国を果たせないKMを袖にする形で、すでに全軍も掌握。故・KJが掲げていた飴と鞭の対外強硬政策を引き継ぐ集団指導体制を確立し、欧米・K国・J国に対しても、かつて無いほどの脅威論を声高に叫び、周辺諸国への圧力を高めつつあった。この動きに連動する形で、NK国軍の動きも活発化する。そしてついに、2008年9月に存在が確認されていた黄海沿岸に新たに建設されたTDミサイル実験場でも、新型テポドン2の発射実験が強行されたのである。J国A国K国の3国はこれを激しく非難し、対抗策を講じるとの強い態度を示した。だが、それに対してNK国新指導部は、K国のI大統領による敵対的なNK国外交や、J国政府による変わらぬ拉致問題糾弾姿勢がすべての元凶だとの逆恨み的見解で反論。2008年9月に封印を解いた核施設ばかりか、別施設でも核兵器開発に再び本格的に着手するとの脅迫的妄言を返すのみだった。また、A国のテロ国家指定解除で復帰するはずだった六ヵ国協議からも、無期限で脱退すると表明したのだった。これを受けてA国政府は、これまでNK国からの無理な要求に対して妥協してきた政治姿勢が無駄に終わったことを認識。新指導部のこれ以上の暴走を座視できないと判断した。A国政府は、NK国が全面的南進に踏み切る戦力は維持・確保できていないとの分析結果に基づいて、あくまで限定的に、これら核・ミサイル施設への限定的掃討作戦を展開することを決定したのである。

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