ファンタジーナイトII
ストーリー
古より多くの種族達が棲まう"ヴァスティーク大陸"。森の民、水の民、地の民、冥府の民――時折、各種族が己の力を誇示するため小さないさかいは起こるものの、川が流れ緑溢れる大地の壮大な美しさは、平和な日常の表れであった。
そんなヴァスティークにおいても、小さな争いすら避け、ただ穏やかに暮らそうとする種族、弱き民――人間がいた。彼らは、自らの非力さを理解してどの種族よりも賢く生き延びる術を求め、異種族の技術を取り入れていた。
誰もがこの日常が続くことを信じていたが、その終わりは唐突に訪れることとなった……
穏やかでありながらも、時に起きる異種族間のいさかいは、生きることに貪欲な人間に小さな不安を与え続けた――いつかは人間もいさかいに巻き込まれるのではないかという不安に。
徐々に積もり始めた不安に対し、人間はついに武器を取り立ち上がると、異種族たちに攻撃を仕掛けた。
元来の人数の多さを利用し、相手に合わせた戦術を振るうことで、能力に頼りきった異種族をたちまち圧倒すると、次第に人間は台頭していった。その勢力は5つに分かれヴァスティークの各地に居城を築き、それぞれの社会を形成した。
そして、膨れ上がった人間の生きるための欲望は大地の絶対支配を目指し、その刃を同属へと向け始めた。
もはやヴァスティークにかつての壮大な美しさはなく、荒れ果てた大地と鳴り止まぬ争いの足音が響く、凄惨な大地へと変貌していた……
その様子は、ヴァスティークより大海を越えた遥か遠くの平和な国にも伝わっていた。平和を愛する国王は胸を痛めるも、同時にこの報せを歓迎した。そしてこの争いを治めるべく、王の娘でありヴァスティークの血を引く3人の王女を呼び出した。
国王は王女に対し、3人の内1人を争乱のヴァスティークを統治するために派遣することを伝えた。
平和のための派遣であったが、その裏にはヴァスティークの平和と同時に、常日頃から無理難題で周囲を困らせるわがまま3姉妹を1人でも国から遠ざけ、自国に平穏をもたらそうと考える王の意図が含まれていた。
こうして、3人の王女による話し合いの結果、派遣されることとなった王女は、すぐにでもヴァスティークへと向かうべく準備に走った。その姿は、平和で退屈な国を抜け出し、戦いに満ちた世界を治めるという興奮に嬉々とする姿であった。
その姿を見た国王は、ヴァスティークでの王女の行動に一抹の不安を覚え、王女が出発した後、王女を補佐するための有能な指揮官を募るため、知り得る全ての世界に対し呼びかけた。
『大地の破滅を嘆く者
立ち篭めし戦雲を掻き分け
その怜悧なる智略をもって地を広げ
果断なる武勇をもって争乱を駆けよ
さすれば彼の地に平和の鐘は鳴り響かん』
王の呼びかけは争いを疎む多くの賢人達を呼び起こし、その中において尚、輝き放つ1人の若者を見出すと、若者を王女を補佐する指揮官として、ヴァスティークへと派遣した……
ファンタジーナイトIIとは
「大戦略」のユニットをモンスターに置き換え、兵器に馴染みのないユーザーにも親しみやすいようにアレンジして人気を博したファンタジーシミュレーションゲーム、それが「ファンタジーナイト」です。
「マスターオブモンスターズ」シリーズの原点として、1987年に発売され、長い間続編を待ち望まれていた作品でしたが、約20年の歳月を経た2006年――ついに「ファンタジーナイトⅡ」が登場します。
今作は、大戦略で標準的な“64×64ヘックス”の約38枚分に相当する、460×340ヘックスという広大なマップがゲームの舞台となります。
この15万6400ヘックスで構成された“ヴァスティーク大陸”で、プレイヤーは最大100部隊を駆使して、最大999ターンの間、敵国家と戦いを繰り広げながら大陸制覇を目指すことになります。
大陸にはプレイヤーを含めた5つの国家と、様々な種族の独立勢力が多数存在します。また、マップが広大になったことで、局地的な戦いだけでなく部隊の展開や補給場所の確保といった戦略が一段と重要になっていますので、戦闘、輸送、索敵といったそれぞれの行動がどれも不可欠な要素となり、各部隊の役割を十分に発揮できる奥深さをゲームに与えています。
このように、かつてない規模の戦略と戦術が一つのマップで同時に進行することで、これまでには味わえなかった真のシミュレーションゲームの面白さが堪能できる、それが「ファンタジーナイトⅡ」です。
もちろん、このスケールを想定した新開発の思考ルーチンを実装していますので、敵思考中の待ち時間も最小限のものとなっており、ストレスを感じることがないプレイを実現しています。