【解説】
艦載水偵で日本に劣っていた米海軍改進の機体。性能的には水上戦闘機にも匹敵する高性能機で、対空武装・速度・運動性の面で大幅に向上している。爆装も従来より増大し、特長的な面として主フロート内に93kg爆弾2発を搭載できる。また、長時間の作戦運用を考慮に入れた寝棚の設置、収納式の予備シートの設置、陸上機・水上機の高い互換性など、汎用性の面も十分考慮されている。しかし、採用された頃には既に日本に制空権はなく、有り余すほどの高性能も生かす場所がなかったため、終戦と共に発注中の機体も全てキャンセルとなってしまった。なお、当機は自動操縦装置を搭載していたが、不具合が生じ、回線を切断して運用していたため、単なるデットウェイトとなっており、更に与圧式コックピットを持っておらず、高高度運用には向かないため、飛行機としての完成度は悪くないが、単座の観測・偵察機としては問題点が多い。