1929年に世界的に広がった大恐慌により日本も
深刻的な打撃を受けた。この状況を打開するため、
軍の一部に満州を植民地化して危機を逃れようとする
動きが強まった。一方、中国では21ヵ条の要求以来、
排日運動が益々高まっていた。
こうした情勢の中、1931年9月18日、関東軍の
謀略であった柳条湖の南満州鉄道爆破を口実に、
満州事変が勃発した。日本政府の戦争不拡大方針を
無視する形で関東軍は戦線を広げ、たった5ヶ月間で
満州全域を占領した。日本国民はこの事変を熱狂的に支持し、
日本政府もアメリカ・イギリスとの軍事衝突に発展しないと
判ると徐々に追認していった。関東軍は翌年の
1932年3月1日に清国最後の皇帝溥儀を執政に迎え都を
新京に定めて満州国建国を宣言させ、日本の傀儡国家とした。