中でも西海岸地方は早くから
農場や鉱山の開発により開けており、
シンゴラからシンガポールまでを鉄道が結ばれ、
守備側のイギリス軍は主要拠点に防御陣地を築き
激しく抵抗していた。

このマレー侵攻作戦を委されていたのは、
陸軍山下奉文中将であった。
猛将として知られる山下将軍は、
旗下の部隊に対して進撃を命じた。

それは極東のハリマオが
マレー半島という上等な肉を平らげようと
牙を研ぎ始める合図でもあった。