それは古文書や土地の伝承などを手がかりに雲を掴むような
作業であったが、1940年、ついに黒竜江省安達県
ゴルロス後旗バルガソムで大油田を発見した。
しかしこの油田の発見は、満州に勢力を伸ばしたかった
ソ連を刺激するには充分であった。
前年の5月にノモンハンにて激闘を展開した両国は、
お互いの国境に大軍を張り付かせていたが、
油田発見の情報により緊張は一層高まっていった。
アメリカ国内でも
「日本が石油権益を得ることはとても危険な事である」
との世論ができつつあった。このまま野放しにしておくと
ヨーロッパを席巻しているドイツと
アジアを征服した日本により、
手に負えなくなると感じていたルーズベルト大統領は、
ソ連のスターリンに密使を送り、対日戦争を働きかけた。
満州の権益を欲したスターリンは了解して、
1941年12月8日に大軍を南下させた。